以前は男性が土曜・日曜の休日に、息抜きとして嗜む遊びが競馬という定義がありました。
全国にJRAが運営している競馬場が計35か所にあり、毎週土日にレースをなされています。
さらに地方にも同じくコースがあるため、すべてを合わせると毎日何かしらのレースがおこなわれています。
昔は街中から外れた場所にコースを設けており、若干アクセスがし難いという側面があったのが特徴です。
ところは現代では周辺の道路は開拓され、さらに地方でも数多くの住宅地が開いており、各レース場の近くも数多くの方が住んでいるのが現状でしょう。
野球場30個分近くの広大な敷地を有する競馬場
野球場30個分近くの広大な敷地を有するのが特徴で、ここで常に競走馬が1レースから11レースまでの競争をして、来場者がお気に入りの馬にお金を賭けて遊ぶことになります。
この遊びは日本では数が少ない公営ギャンブルという位置づけになっており、1990年代前半までは、18歳未満の入場は禁止をされていました。
そのため来場客に子連れはおらず、女性よりも男性客が大半を占めていたというわけです。
しかし、JRAでは1990年後半から業界全体のイメージアップを図る方針をとるようになり、2000年初頭には18歳以上と設けていた入場規制を撤廃するに至ります。
そして全国6都市に設けているレース場に、子供向けの遊戯施設を建設して積極的にファミリー層を呼び込むようになりました。
ここでは東京都府中市にある東京レース場をピックアップして、どのように内部構造が変更されていったのかを、詳しく見ていきましょう。
東京競馬場の事例
まず東京レース場は最寄り駅から徒歩6分という、非常にアクセスしやすい場所にあります。
総面積が約2,100ヘクタールとなっており、JRAが運営しているレース場の中でもっとも広大な土地になっているのが特徴です。
1947年に開業した当初は、芝コースと観覧席しかないシンプルな造りでしたが、1977年に1度目の改装工事をおこなって貴賓室・VIPギャラリー向けの有料観覧席を新たに設けました。
さらに、来場客が利用できる食堂や土産物フロアも誕生して、改装直後は数多くのメディアに報道されたほどです。
競馬の本場であるイギリスのオックスフォードにあるコースを真似たダートも登場し、日本最大級のレース場と謳われました。
この当時もまだ18歳未満の入場はおこなえず、女性客も数が少なかったものです。
この状況を一変するのが2001年に実施された2回目の改装工事であり、前年のJRAによるイメージアップ戦略に則った改装でした。
観覧席に新しくファミリー専用の個室観覧席を設け、同伴した子ども達が退屈しないようにとキッズスペースもある徹底したファミリーファーストの内装となります。
さらに来場客が自由に利用できるフードコートも設け、有名なハンバーガーチェーン・ドーナツショップ・牛丼店などといった飲食店も併設されました。
商業施設も充実させており、府中市で始めてアウトレットショップも競馬場内に誕生するの至ったほどです。
もっとも大きな変化を遂げたのは、これまで必ず内部に立ち入るには100円の入場券が必要でしたが、2002年からは東京レース場をはじめ全国40か所のレース場でもそれを撤廃しました。
これにより、ファミリーからおひとりの方まで気軽にいつでも足を運べる環境となっています。
競馬場がファミリー層にとって楽しめるスポットとなった理由
競馬場がファミリー層にとって楽しめるスポットとなった理由については、競走馬を目の前で見られるというのがとても大きな理由といえるでしょう。
この馬は一般的なポニー等とは違って動物園で見ることはできません。
厳しいトレーニングを施されたサラブレッド種であり、レース場以外で見られるのは北海道のみです。
幼いお子様の目で見ると大きな身体と、美しい鬣が大きな印象となって胸を高鳴らせることでしょう。
JRAでは、2010年から府中・京都・阪神の各レース場の中央トラックに遊戯施設をオープンさせました。
ここでは実際に馬に騎乗することができ、就学前のお子さんたちに大人気となっています。
以前は実際にレースに出場していた馬たちなので、大きな身体と美しい毛並みを維持したまま、お子さんを背中に乗せてトラック内を散歩しています。
ジャングルジム・大きな滑り台といった遊具が揃っており、利用する際の追加費用も不要です。
テレビ中継を見ていても、土日は多くの家族連れが赴いていることが伺えます。
以前のように男性で埋め尽くされたパドックではなく、女性もおひとりで来ている光景も目にできますが、これはJRAが思い切ったイメージアップに努めた賜物です。
幼いお子さんが家族で競馬場に来て、楽しいひと時を過ごした記憶を持ち、将来はレース場に対していい思い出を抱かれるでしょう。
まとめ
大きくなったら今度は馬券も購入することもあるでしょうが、ファミリー層でも行きやすい空間に変えたことで一種の集客を担っているともいえます。
遊びに行く目的地として、レース場も今では家族連れの選択肢に入る時代になりました。