私の実家の祖父は日々農業をやりながら元気に過ごしていましたが、82歳の時に脳梗塞になり身体が片麻痺になりました。
更に2年後には不穏な行動があったため、病院受診すると認知症を患っており自宅での生活も困難になりました。
当初は在宅介護を続けてヘルパーなどの依頼もしましたが、認知症が重度になるにつれて在宅介護も限界になりました。
家族で話し合った結果、老人ホームへの入所を検討する様になり、早速色々な情報を集めました。
当時の要介護度認定は4であったため、殆どの老人ホームで入所可能との事でしたが、老人ホームの種類や数が多く実際に選ぶとなると分かりにくい所が多くありました。
入所する本人は認知症が重度のため、自分で選ぶ事ができずに最終的には家族が決める事になります。
なるべく祖父には快適に余生を過ごしてもらいたいため、初めは有料老人ホームを検討しました。

有料は介護付、住宅型、健康型と分かれており、当然祖父は介護付になるのでターゲットを絞りながら情報を入手していきました。
見学に足を運んだ所は、全ての個室に冷暖房とトイレや洗面台が付いており、部屋のスペースも広く申し分のない環境です。
また、月に1度の映画鑑賞、カラオケ、園芸、音楽療法など豊富なサービスにも驚きました。
リハビリ設備も完備されフィットネスジムと勘違いする様な豪華さが印象的です。
ここまで豪華サービスが付いて環境も素晴らしいので、利用料金が私は気になりました。
案の定1月当たりの利用料金が30万円弱で、一時金も300万円との事でした。
私は驚きを隠せませんでしたが、中には一時金が1000万円超える有料もあります。
また、有料とはその名の通り基本の利用料金以外にもオプション価格が付属しており、外出など何をするにもその都度お金が発生していきます。
祖父にとって快適な生活を送れるのは間違いありませんが、さすがに利用料金を毎月30万円支払うのは負担が大きく、祖父の貯蓄もありましたが数年で底をつく事になるため、有料はこの時点で諦めました。
■グループホームについて
次に検討したのは、グループホームでした。
グループホームは少人数で職員含めて家族の様な支援をする施設です。
認知症の方が優先的に入れるとの事で、こちらも情報を集め見学に行きました。
玄関を入った印象はアットフォームな感じで職員と入所者がゆったりとした時間の流れで生活している様な感じです。

お風呂も一般家庭にある様な浴槽で、居室はもちろん個室対応になっており良い状況でした。
そこのグループホームの建物裏には畑も所有しており、普段から家庭菜園の様に野菜を作ったり、花壇を作り自然溢れる良い所です。
外出支援も積極的に行っており、花見や買い物、町のイベント等にも積極的に参加しています。
気になる料金形態は、有料の様に一時金などはありませんが、1月当たりの利用料金は全て含めて18万円程です。
有料と比較するとだいぶ安くなりますが、それでも年間で換算すると負担が大きいので、グループホームも断念しました。
似たような施設のケアハウスの情報も取りましたが、こちらも一時金が必要でその他もろもろの費用が発生するとの事で見学はしませんでした。
■特別養護老人ホームという選択肢
この時点で私は、祖父担当のケアマネジャーに利用料金の事で相談しました。
料金だけで考えるなら特別養護老人ホームは、本人の所得により利用料金の負担割合も変わるので、そちらの検討をする様に勧められました。
但し、特養の場合は、入所までの待機期間が長く中には数年待っている方もいるとの事でした。
更に昔からある様な施設は、従来型と呼ばれ料金は安いのですが、多床室がメインとなり介護そのものも質が悪く、流れ作業になると知人から教わりました。
そこで私が探したのは、ユニット型の小規模特養でした。
ユニット型とは先にも述べた様に、グループホームの様に少人数でアットホームな感じで介護のお世話をしてくれる所です。
利用料金としては限度負担額に該当したため、1月あたり12万円で済むとの事で、最終的に私の祖父はこの特養に入所が決まりました。
また、祖父は運良く入所申し込みをしてから2ヶ月程で入所する事ができました。
そこの特養は1フロア10人の施設ですが1人ひとりの個別ケアに力を入れており、入所者に対して手厚い介護をしてくれます。
また、地域密着型として地元のボランティアやサークル活動を頻繁に受け入れており、入所していても飽きない生活を送る事ができます。
施設内でもクラブや行事を積極的に実施しており、特に料理クラブは入所者の方と職員が一緒になりお菓子作りを楽しんでいます。
月1回の映写会や買い物ツアーなど楽しみ満点です。
夏祭りや敬老会もアイディア豊富で豪華なイベントになります。
私の祖父も入所して3ヶ月が経過する頃には、表情も良く穏やかな毎日を過ごしていました。
現在は祖父も亡くなりましたが、そこの特養のお陰で家族も祖父も有意義に過ごす事ができました。
この様に老人ホーム選びは、料金が高ければ手厚い介護と快適な生活が送れますが、中々利用する事はできません。
特養を探すなら良質な所を探すと良いです。
[PR]
老人ホーム